物流ニュース 12月2010年

22/12/10 インターネット・オークションサイトの商品で危険物の郵便が増加
22/12/10 中古の水産養殖装置の輸入条件を変更 − 豪検疫検査局
22/12/10 穀物の豊作で輸送業者は集荷に苦慮 − 南オーストラリア州
15/12/10 アシアノ社は港湾荷役事業を売却するべき − 金融アナリスト
15/12/10 バス海峡のフェリー更新計画を延期 − タスマニア州政府
15/12/10 港湾荷役業者に値上げした料金の取り消しを命令−NSW港湾相
08/12/10 メルボルン港の空コンテナ置き場での混雑に不満続出−トラック業者
08/12/10 豪州/NZ間の貨物機を変更し輸送能力を40%アップ−カンタス航空
08/12/10 穀物輸出ターミナルでの予約の透明性を高める−南オーストラリア州
08/12/10 港湾改修に必要な金額の半分しか資金がない−タスマニア港湾公社
01/12/10 未承認の殺菌剤を輸入し化学薬品会社が罰金−西オーストラリア州
01/12/10 事故で不通のアデレード/ダーウィン間の鉄道が復旧
01/12/10 豪ポストとの貨物合弁会社の見直しを来年に延期−カンタス航空
01/12/10 混雑が原因のコンテナ蔵置料などを免除 − DP World社
01/12/10 従業員の給与を21%引き上げ−オーストラリアン・エア・エクスプレス社

                                                              

12月22日2010年 インターネット・オークションサイトの商品で危険物の郵便が増加
  国際航空運送協会(IATA)は、「航空貨物の約5%が危険品と分類されている。 しかし、インターネット・オークション・サイトでさまざまな危険品が販売されており、それらが郵便によって配送され公共の安全性への脅威が増してきている。 
  IATAのセキュリティー部門トップのデーブ・ブレナン氏は先週、「インターネット・オークション・サイトは、その責任を出展者である発送人に押し付けようとしている。 この問題の規模の一端を示すと、 イギリスの郵便集荷センター1ヶ所だけで、1ヶ月当たり2万個の郵便が危険物と分類されている」と話した。 (Source: Airacargo Asia-Pacific, 20/12/10 "Online auction sites fuel dangerous goods increase")
12月22日2010年 中古の水産養殖装置の輸入条件を変更−豪検疫検査局

  オーストラリア検疫検査局(AQIS)は、中古の水産養殖装置・設備の輸入条件を変更した。 
  中古の水産養殖装置の輸入については、カキヘルペスウイルス(OsHV-1 μvar)などの病原菌がカキ(オイスター)に感染する高いリスクがある。 カキヘルペスウイルスによる病気の発生は、ヨーロッパやニュージーランドで報告されてる深刻な問題である。 このカキヘルペスウイルス自体は人や食品安全へのリスクはないが、カキを死滅させ、カキ業者に大きな損失を与える。 今まで中古の水産養殖装置の輸入については、特に規制がなかったため、カキヘルペスウイルスが海外に広まった可能性がある。 
  これにより、2010年12月16日から、海水や水産動物と接触したことがある中古の水産養殖装置・設備は、輸出国がどこであれ、オーストラリアに到着する前に洗浄されなければならない。 中古の水産養殖装置・設備がオーストラリアに到着後は、検疫検査局指定の建物に直接搬入され、輸入者に引き渡す前に消毒剤(Virkon Aquatic)を使って洗浄される。 (Source: AQIS, Notice to Industry 69/2010, 16/12/10 "Change to AQIS policy on the import of used aquaculture equipment")

12月22日2010年 穀物の豊作で輸送業者は集荷に苦慮 − 南オーストラリア州

  今年の穀物の豊作が、南オーストラリア州Mallee地域の貨物輸送業者の頭痛の種になっている。 
  Mallee地域の農家たちの今年の収穫量は去年の3倍になっている。 輸送業者Wishart Bulk Haulage社のマックス・ウィスハート氏は、「大量の穀物とサイロの不足で、輸送の往復時間に大きな影響が出ている。 通常、農場からサイロに搬入して農場に戻るのに3時間かかる。 しかし、最近は5時間や6時間になり、7時間になるときは大きな問題となる。 ほかのサイロに搬入してもさらに時間がかかる。 現在、すべての穀物取り扱い業者は同じような問題を抱えている」と話した。 (Source: ABC, 16/12/10 "Freight companies struggle to collect the SA harvest")

12月15日2010年 アシアノ社は港湾荷役事業を売却するべき − 金融アナリスト

  アシアノ社は保有する港湾荷役事業の売却を検討すべきか? それに対して投資銀行のUBSは、「それは財務上道理にかなっている」と考えている。 
  UBSが今日顧客に配ったメモで、アナリストのサイモン・ミッチェル氏は、「ドバイが本社のDP World社が、オーストラリアの港湾荷役事業を分社化するかもしれないとする噂が出るなど、コンテナ港の荷役業界の合併と買収の兆候が出ている状況で、アシアノ社がパトリックのコンテナ荷役事業を売却するのかどうかに焦点が当たっている。 パトリックを売却すれば、その売却益でアシアノ社が保有する石炭輸送のパシフィック・ナショナル鉄道の負債の軽減や資金の調達が可能となる。 売却額はおそらく28億ドルくらいになり、パシフィック・ナショナル鉄道が競争相手のクイーンズランド鉄道からさらなる石炭ビジネスを獲得する助けとなる。 パトリックはオーストラリアの主要港のシドニー、メルボルン、ブリスベン、フリーマントルでコンテナの荷役業務を行なっており、売却先を探すことはそれほど困難なことではない」と話した。 (Source: The Australian, 07/12/10 "Asciano container ports sale makes sense: UBS analyst ")

12月15日2010年 バス海峡のフェリー更新計画を延期 − タスマニア州政府

  タスマニア州政府は、オーストラリア本土とタスマニア間を運航するフェリーを2014年までに新しくするとした選挙公約の実現は不可能であると発表した。 
  同政府のララ・ギディングス インフラ相は政府のビジネス審問において、厳しい経済環境や海運市場の不透明性によって、当初の目標が達成できないとした。 そして、「今回の決定は苦渋の決断で、これによって運航会社のTTライン社の運営に影響は出ないと期待している。 タスマニア州政府としては、TTライン社が当初計画していた2017年までのフェリーの取り替えに目標を戻す。 選挙公約としてこの問題を掲げていたが、経済環境が変化し、再検討せざる終えなくなった」と話した。 (Source: ABC, 30/11/10 "Ferry replacement plan on the rocks")

12月15日2010年 港湾荷役業者に値上げした料金の取り消しを命令−NSW港湾相
  ニューサウスウェールズ州政府のエリック・ローゼンダール港湾相は、港湾荷役業者パトリック社に対して、12月6日から、ボタニー港での鉄道貨物のサービス料金を9月1日の値上げ以前のレベルに戻すことを命じた。 
  ローゼンダール港湾相は、「この新しい規則は、ボタニー港ランドサイド改善戦略(PBLIS)の一環である。 これらの規則は、貨物を鉄道輸送に切り替えて、シドニーでの道路輸送を減少させることに役立ち、港湾荷役業者とトラック業者との作業が効率的に改善できる。 もし、トラック業者がコンテナを引取りに来て待たされると、荷役業者はトラック業者に待ち時間に対する賠償を支払わなければならない。  今回のパトリック社への命令は、鉄道貨物のサービス料金を9月1日から67%値上げしたパトリック社に元に戻すようにしたものである」と話した。 (Source: T&L News, 13/12/10 "Minister orders Patrick to reverse price increase")
12月08日2010年 メルボルン港の空コンテナ置き場での混雑に不満続出−トラック業者
  ビクトリア州運輸協会(VTA)は、会員からメルボルンの空コンテナ置き場での激しい混雑や営業時間に柔軟性がないことへの不満が続出していることから、船会社や空コンテナ置き場運営会社に再度営業時間の延長を要請した。 
  同協会のフィリップ・ラブウェル会長は、「メルボルン港はオーストラリアで最大のコンテナ港であるにもかかわらず、主要都市の港の中で最も空コンテナ置き場の営業時間が短い。 我々は2010年3月に船会社の団体であるShipping Australia Limited (SAL)と共にフォーラムを開催し、2009/10年度ピーク時のメルボルン港における空コンテナ置き場での混雑や作業遅れについて討議した。 これによってメルボルン港湾公社によるメルボルン空コンテナ置き場調査委員会を発足させた。 しかし、今年度のピーク時も、空コンテナ置き場の営業時間の延長がなければ、容認しがたい混雑や作業の遅れに直面するかもしれない」と話した。 (Source: T&L News, 29/11/10 "Melbourne transporters frustrated by container parks")
12月08日2010年 豪州/NZ間の貨物機を変更し輸送能力を40%アップ−カンタス航空

  カンタス航空はオーストラリアとニュージーランド間の貨物機サービスを、現在ウェットリースしているB767-200F機からB767-300F機に変更し、輸送能力を40%増やす。 
  同社の貨物部門トップのスティーブン・クリアリー氏は、「オーストラリア/ニュージーランド線は、カンタス航空貨物部門にとって最も重要な路線のひとつである。 そして、2009年から貨物機を投入して輸送力を強化し、輸出業者に安心してこのサービスを使ってもらえるようにしている。 来年2月から新しく投入するB767-300F機の最大ペイロードは59トンで、現在使用しているB767-200F機より40%増えることになる」と話した。 
  この貨物機は、カンタス航空の子会社Express Freighters Australia (EFA)によって運航され、Australian air ExpressのB737-300F機も運航している。 (Source: Australian Aviation, 06/12/10 "QF ups freight capacity on Tasman")

12月08日2010年 穀物輸出ターミナルでの予約の透明性を高める−南オーストラリア州

  南オーストラリア州の穀物輸出ターミナルでの船の予約やキャンセルが、今シーズンは綿密に監視されることになった。 
  小麦輸出団体Wheat Exports Australiaによる外部監視によって、穀物の貯蔵業者、輸出業者であり、穀物輸出ターミナルを所有するViterra社の業務の透明性を増すことを狙っている。 昨シーズン、Viterra社が事前の通告なしで船積み予約をキャンセルしたり、Viterra社が予約をキャンセルしても、連絡が遅いため他の輸出業者がその予約枠を使うことが出来ず、他の穀物輸出業者は非常に不利な立場と感じていた。 今回、Wheat Exports Australiaによる監視により、Viterra社は、もし自分たちの船積み予約枠を使わないのであれば、いち早くキャンセルする予約システムの改善をすることと、キャンセル後、直ちに他の穀物輸出業者が予約できるように連絡することを要求された。 
  Wheat Exports Australiaのピーター・ウッズCEOは、「今シーズンは、南オーストラリア州の輸出ターミナルでの透明性が改善されると信じている。 同じルールがすべての輸出者にも適用される」と話した。 Wheat Exports Australiaは小麦のバルク輸出だけを監視し、オーストラリアの港から船積みされるコンテナでの小麦輸出や他の商品輸出については関与しない。 (Source; ABC, 01/12/10 "More transparency at shipping terminals")

12月08日2010年 港湾改修に必要な金額の半分しか資金がない−タスマニア港湾公社

  タスマニア港湾公社(Tasports)は、港湾改修の年間費用が支払い可能額の2倍になることを明らかにした。 
  同公社のダン・ノートン会長は昨日行なわれた政府の審問で、「昨年度はタスマニア港湾公社にとって厳しい年であった。 純利益は140万ドルだけで、それに加えて、政府に配当金として360万ドルを支払わなければならなかった」と語った。 
  これに対して、議会グリーン党のティム・モリス議員はノートン会長に、「そのような利益で、負債の返済や緊急に必要な設備投資が出来るのか?」と質問した。 ノートン会長は、「タスマニア港湾公社は、本来なら毎年1,500万ドルが必要な港湾改修に、約800万ドルしか支出することが出来ない。 やらなければならなことと、実際の資金には相当額の開きがある」と明らかにした。 
  タスマニア港湾公社はインフラ計画を5月に政府に提出することにしている。 (Source: ABC, 01/12/10 "
Ports lack money for upgrades")

12月01日2010年 未承認の殺菌剤を輸入し化学薬品会社が罰金−西オーストラリア州
12月01日2010年 故で不通のアデレード/ダーウィン間の鉄道が復旧
12月01日2010年 豪ポストとの貨物合弁会社の見直しを来年に延期−カンタス航空
  カンタス航空は、期待したほど利益が出ていないオーストラリア・ポストとの貨物合弁会社2社の見直しの結果の発表を来年初めまで延期することになる模様である。 
  カンタス航空とオーストラリア・ポストは、合わせて約5,000人が働く合弁会社のスター・トラック・エクスプレス社とオーストラリアン・エア・エクスプレス社の新しい組織形態を当初10月初めに発表するとしていた。 しかし、業績が芳しくないこの貨物ビジネス2社の新しい組織形態の交渉が難航し、結果は来年2月にずれ込むことなる。 
  経済アナリストたちは、間接経費を削減するために両社は統合することになるとしている。 しかし、カンタス航空とオーストラリア・ポストは、両社による50対50の出資比率のホールディング会社の下で、2社体制の継続を望んでいる。 
  スター・トラック・エクスプレス社の2009-10年度(6月期)の利益は、前年度より33%%減って1,250万ドルとなり、前々年度の利益の2,600万ドルと比べて大幅に減少している。 親会社2社への配当金は、現在まで合計で2,000万ドル支払っている。 
  一方、オーストラリアン・エア・エクスプレス社の2009-10年度(6月期)の利益は1,330万ドルで、前年度(2008-09年度)の11万9,000ドルより大きく改善しているが、これはコスト削減の効果によるもので、売り上げは5%減少して5億3,400万ドルとなっている。 2009-10年度の利益1,330万ドルは、2007-08年度の1,760万ドル、2006-07年度の3,020万ドルと比べて相当低くなっている。 オーストラリアン・エア・エクスプレス社は、4機のB737-300貨物機、3機のBAe-146貨物ジェット機、そしていくつかの小型のターボプロップ機を保有しており、カンタス航空とジェットスター航空の国内線の旅客機の貨物ベリースペースを使ってドア・トゥ・ドアのクーリエ・サービスを行なっている。 
  また、カンタス航空は保有するフィジーのエア・パシフィック航空の46%の株式の売却を計画している。 エア・パシフィック航空との売却交渉は昨年9月から行なっているが、エア・パシフィック航空の損失が増えていることが売却先を探すことを困難にしている。 (Source: SMH, 29/11/10 "Qantas delays freight review")
12月01日2010年 混雑が原因のコンテナ蔵置料などを免除 − DP World社
  貨物業者や通関業者の団体CBFCAの問い合わせに対して、港湾荷役業者のDP World社は、「11月7日にシステムの改修で不具合が生じたことで、それによる11月8日から11月20日までのコンテナの蔵置料、コンテナ引取りのための車両予約システム(VBS)枠料金、予約して引き取りに来ない罰金などを免除することを検討する」と回答した。 
  CBFCAのマネージャーのポール・ザライ氏は、「今回のDP World社の回答は歓迎するもので、業界のコスト負担が軽減されることになる。 これにならって、船会社も港が混雑したことで発生した空コンテナの返却の遅延に対する料金の見直しを望んでいる」と話した。 
  しかし、DP World社は、同社のコンテナのトラックへの搭載が大幅に遅れたことで、トラック業者やオーナー・ドライバーがビジネスをなくしたり、長時間港で待機するなどの多大な費用や賠償については、コメントを避けている。 (Source: T&L News, 29/11/10 "DP World to waive storage but silent on compensation")
12月01日2010年 従業員の給与を21%引き上げ−オーストラリアン・エア・エクスプレス社
  オーストラリアの運輸労働者組合(TWU)は、一部の航空業界のメンバーが、生産性の取引条件なしで21%の賃上げを受けることになったと発表した。 
  同組合の広報担当は、「空港のグランド・ハンドリング会社やクーリエ業者のオーストラリアン・エア・エクスプレス社に働く従業員が14%の賃金の引上げを獲得し、その一部はさらに7%の賃金の引き上げがある。 今回の賃上げは約450人を対象にして行なわれる。 今回の交渉は、同じ航空業界に勤める他のメンバーにも良いモデルとなる。 今回の賃上げは、昨年厳しい状況の中、適切に働いてきたそれらのメンバーたちへの公正な報酬で、当然の権利で、雇用者も賃金の引き上げの余裕がある。 オーストラリアン・エア・エクスプレス社は現在まで、2,000万ドル以上の利益を上げており、従業員に還元されるべきである」と話した。 (Source: ABC, 25/11/10 "Aviation workers get 21pc pay rise")